カーシェアリング、都市部に広がる 環境に優しく経済的2006年09月11日06時28分(アサヒコムHPより)
「カーシェアリング」が東京、横浜など都市部を中心に広がっている。あらかじめ登録した会員たちが車を共同利用する仕組みで、行政の後押しに加えて駐車場の確保の難しさ、燃料の高騰もあり、「マイカーより安い」と会員が増えている。カーシェアリングを売りものにするマンションも出てきた。
カーシェアリング
東急東横線大倉山駅(横浜市港北区)そばで8月4日に開かれた試乗体験会。車の予約から返却までを担当者が説明し、「レンタカーと違い、借りるたびにいちいち面倒な書類のやりとりをすることもありません」と説明した。
登録料9800円、ICカード発行手数料1480円のほか、月会費1980~3980円で事故の際は保険も適用される。車の利用料は15分につき140~240円。一方で駐車場、燃料、保険代がいらず、車を共有することで排ガスなどの環境負荷も減る。
事業を手がけるシーイーブイシェアリング(CEV)社(東京都港区)の高山光正さんは「車に乗るのが年間1万キロ以内なら自家用車より得です」と話し、需要はさらに増えるとみている。
狙いは買い物や子供の送迎など近場の利用が多い主婦層だ。大倉山の試乗体験会を子供2人と訪れた近所の主婦(46)は「車を買うことも考えましたが、駐車場代も高いので」と入会した。
CEV社は「ステーション」と呼ぶ駐車拠点を28カ所で展開、02年4月に53人だった会員は700人にまで増えた。
昨秋から入居が始まった目黒区の分譲マンション「サンクタス目黒大塚山」には、2台の軽乗用車がカーシェアリング用に初めから備えられており、居住者のうち13戸が会員になっている。運営するのはマンションのフロントサービス会社「アスク」(本社・神奈川県藤沢市)だ。居住する68戸に対して駐車場は40台分。同社の担当者は「各戸分の駐車スペースが取れない立地のマンションでは有効と話す。
子供の送り迎えなどで週3、4回利用するという主婦星野佳代子さん(39)は「出費は毎月1万5000円ぐらい。この辺は駐車場だけでも4万円以上しますし、燃料代も考えるとだいぶ安く済みます。マンションを選ぶ決め手の一つになりました」と打ち明ける。
昨年11月から利用し、車の利用希望が他の会員とかち合って使えなかったのは2回だけで、ともに雨の日だったという。
12月に完成する分譲マンション「芝浦アイランドケープタワー」(港区)でもカーシェアリングが売りものの一つだ。
カーシェアリングは80年代後半に欧州で始まった。国土交通省所管の交通エコロジー・モビリティ財団によると、先進地スイスのモビリティ社は国内に1000カ所の拠点をもち、会員は03年時点で約6万人。日本では今年1月のまとめで北海道、千葉、埼玉、神奈川県、東京都など10都道府県57カ所で事業化されている。
行政も後押しする。無人で車の貸し出しができるなど規制を緩和したカーシェアリング特区は試行に続き、今年4月からは全国どこででもできるようになった。11月からはカーシェアリングを利用するとポイントがたまり、バスの運賃として使える制度の実験が金沢市で始まる。これには経済産業省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」が補助金を出す。
国交省新輸送サービス対策室は「さらに広がればセカンドカーの共有など車の台数抑制につながる」と期待している。
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- 2006/09/11(月) 11:16:01|
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